「えにし」は大和言葉ではない?「縁」を「ゆかり」と読むと大和言葉になる
「縁」という漢字には
- えん
- えにし
- ゆかり
など、さまざまな読み方がありますが、この差異が意味するものとはいったい何でしょうか?
この記事にたどり着いた方の多くは、
「えにし」という言葉が大和言葉なのかどうか
について知りたいと感じていらっしゃることと思います。
この記事では、「縁」という言葉について探求していきます。
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「えにし」は大和言葉ではない
「えにし」は、「縁(えん)」の転じた「縁(えに)」に強めの助詞「し」の付いたもの。古めかしい語で、あまり使われない。
goo辞書「縁(えにし)」ページより引用
つまり「えにし」は、「えん」という音読みの言葉から派生した言葉であるため、大和言葉ではないという判断になります。
Yahoo知恵袋に、次のような質問がありましたが、この答えについても「大和言葉ではない」という回答になります。
※当サイトで扱う大和言葉の定義については、運営者情報ページの「当サイトにおける大和言葉の定義」をご覧ください。
「縁(えん)」という読み方をされていれば、明らかに音読みですので「これは大和言葉ではない」という判断がしやすいです。
ただ、今回の「縁(えにし)」のように、ぱっと聞いた印象では「訓読みだから大和言葉だろう」と感じた言葉でも、実際には漢語が由来になっているケースがあります。
判断するのは難しいですが、こういうケースがあることも頭の片隅においておくと、これからの知見が広がりやすくなりますよ。
ちなみに、「縁(えん)」という表現は、仏教に由来しているようです。
この「縁」という言葉は「縁起の法」「十二因縁」などといい、お釈迦様が悟りを開かれて最初に弟子たちにお説きになった根本教理の一つ、悟りの内容そのものであります。「この世の現象は原因や条件が相互に関係しあって生まれ出た結果である。すべては縁によって成り立っているのだ」とお気付きになられたのです。
天台宗HP 法話集「ご縁」とは ページより引用
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「えにし」を表す大和言葉は「縁(ゆかり)」
「縁(えにし)」が大和言葉ではないと分かったら、次に気になるのが「大和言葉では何というのか?」ですね。
結論からお伝えすると、「縁(ゆかり)」という大和言葉がその答えになります。
「縁」の漢字の読み方が変わっただけで、意味するところはほとんど同じと言えます。
「えにし」については大和言葉かどうか判断するのが難しかったものの、「ゆかり」については聞いた瞬間に「これは大和言葉だな」と判断しやすい言葉の響きとなっていますね。
ちなみに、「えにし」と似た響きをもつ言葉に「蝦夷(えみし)」がありますが、まったく違う意味ですので、間違えないように注意しましょう。
「ゆかり」という言葉の響きは、とても素敵だと思います。
この「ゆかり」という大和言葉は、人名としても人気があり、特に女の子に名付けられることが多いようです。
大和言葉には、この「ゆかり」のように聞いただけで「美しい響きだな」と感じる表現がたくさんあります。
日常会話に大和言葉を取り入れることで、あなたの品格が高まること間違いなしです。