大和言葉のひらがな50音の意味一覧

当サイトはプロモーション広告を含みます
大和言葉 50音 ひらがな 意味 一覧

大和言葉のひらがな50音には、単なる文字だけでなく、文化や精神を反映した意味が込められています。

例えば、「あ」はすべての始まりを象徴し、「い」は勢いのある生命力を示します。

このように、50音それぞれに独自の意味が込められており、日本の伝統や価値観を伝える貴重な遺産になっていると言えます。

この記事では、それぞれのひらがなが持つ意味や背景について紐解いていきます。

大和言葉は50音それぞれに意味がある

大和言葉 50音 意味 ひらがな

大和言葉の母音(あいうえお)ごとのイメージ

大和言葉では、「あ段」「い段」「う段」「え段」「お段」それぞれについて、その発声方法に由来する共通した意味合いがあります。

つまり「あいうえお」は単なる音だけをあらわす表音文字ではなく、意味も含んでいるということです。

「口の開き方」と「音のもつイメージ」について、以下にまとめます。

あ段口が一番大きく開く。
イメージ:「明るさ」「開く」「新しい」
い段口を横に広げてやや鋭くなる。
イメージ:「前に向かう」「生命力」
う段口が最も閉じた状態になる。
イメージ:「閉じる」「内側に向かう」
え段他のどの母音にも変化させやすい口の状態になる。
イメージ:「分かれる」「移行する」
お段口の内部が大きく広がる。
イメージ:「大きい」「重要」

大和言葉の子音ごとのイメージ

大和言葉では、「あ行」~「わ行」それぞれについても、その子音の発声方法に由来して共通のイメージをもっています。

あ行(音が素直に発声されるため、先ほど紹介した母音ごとのイメージと同じ)
か行「硬い」「強い」
さ行「繊細」「軽い」
た行「堂々」「強い」
な行「調和」「柔らかい」
は行「勢い」「繊細」
ま行「本質」「丸い」
や行「安らぎ」「広がり」
ら行「荒い」「変化」
わ行「満足」「調和」

大和言葉のひらがなの意味一覧

大和言葉 50音 意味 ひらがな

大和言葉では、ひらがな一文字ごとに深い意味が込められています。

ここから、ひらがな50音それぞれについて解説していきます。

あ行(あいうえお)

【すべての始まり・明るい】
口を大きく開け、スケールの大きさを感じさせます。「雨」「明かり」など、天に関係するもの、明るさを表す言葉が多いです。
【生命力・勢い】
口が横に鋭く広がるため、「生きる」「命」などは勢いよく前に進んでいくイメージになります。
【温かみ・産む】
口を小さく丸めて曖昧な勢いになるため、「海」などは優しい温かさを感じさせます。
【思いやり・気品】
微笑むときの口の形になるため、上品な優しさが伝わります。
【広さ・丁寧さ】
口を優しく大きく広げるため、相手を受け入れる器の大きさを感じさせます。

か行(かきくけこ)

【力強さ・勢い】
口から勢いよく空気が出るため、豪快な強さを感じさせます。
【綺麗さ・純粋さ】
「清い」「きらきら」など透き通った綺麗さを表現します。
【暗さ・奥ゆかしさ】
か行の勢いをもちつつ口の中に息がこもるため、「曇り」などは力強くも暗いイメージがあります。
【霊力・雰囲気】
おばけの笑い声である「けけけ」という表現から分かるように、奇怪なもののイメージを持っています。
【優しさ・かわいらしさ】
優しい響きで、親愛の気持ちを含んでいます。

さ行(さしすせそ)

【上品さ・さわやかさ】
透き通ったような上品さを伝えると同時に、かわいらしさも表現します。
【静かさ・しみる】
物事に引っ掛かりがなく「忍ぶ」「染みる」など静かな様子が伝わります。
【ありのまま・澄んだ】
綺麗で清らかなイメージがある一方、発声時の力強いイメージももっています。
【忙しい】
「せかせか」「せっせと」など、せわしない印象を伝えます。
【軽い・心地よい】
「そよ風」という言葉が「そ」のイメージを体現しています。

た行(たちつてと)

【リズム感・躍動感・高貴さ】
舌を鳴らす音が跳ねる様子や太鼓の音を連想させます。「高い」というイメージから高貴さも伝えます。
【力強さ・神々しさ】
「いのち」「いかづち」など、どっしりとパワーを持っている様子を表します。
【添える・つなぐ】
「常」「綱」など、長く続いている様子を連想させます。
【落ち着きのなさ・変化】
「てくてく」歩くなど、物事が変化する様子を表します。
【尖った・突出した】
家の端に出ている「戸」を連想させ、人の出入りも感じさせます。

な行(なにぬねの)

【滑らか・安心感】
柔らかいイメージがあり、人に安心感を与える音です。
【和み・ゆるむ】
「にやにや」など、感情が緩んでいる状態が伝わります。
【脱力・ぬくもり】
勢いがなく粘り気のある発音が、気の抜けた印象に繋がります。
【粘り強さ・土台】
「根」のようにどっしり構えつつも、どこか柔らかい印象を与えます。
【マイペース・温かい】
のびのびとした穏やかさ・優しさを感じさせる音です。
大和言葉 50音 意味 ひらがな

は行(はひふへほ)

【晴れ・開放感】
口を大きく開け、引っ掛かりのない音を出すため、「春」のような明るい開放感を感じさせます。
【ゆったり・温かい】
「広い」「日」など、おおらかで温かみを感じさせる言葉が多いです。
【豊かさ・柔らかさ】
「ふかふか」「ふさふさ」「ふんわり」など、多くの擬態語に使われます。
【脱力・適当】
「~のあたり」という意味があり、「川辺」「夕べ」という使われ方もします。
【温かい・豊かさ】
「ほっとする」「穂」など、豊かになるイメージが伝わる音です。

ま行(まみむめも)

【包容力・本物】
「丸い」印象を伝えつつ、「真ん中」のように本質を表すこともあります。
【清らかさ・豊かさ】
水に関連した言葉が多く、「実り」など豊かなイメージを持っています。
【繋がり・調和】
「睦まじい」など人との良い関係を伝えます。
【強さ・女性っぽさ】
「めきめき」からは強さを感じる一方で、おっとりとした女性らしさを伝える表現も多いです。
【盛り上がり・柔らかさ】
物事を優しく膨れ上がるイメージがあり、「萌える」という心の高揚感も表現します。

や行(やゆよ)

【親しみやすさ・穏やかさ】
「八代(やしろ)」のような数が多くて神秘的な印象も含みます。
【ゆるさ・奥ゆかしさ】
「ゆらり」「ゆっくり」など、落ち着いた余裕を感じさせます。
【注意・期待】
柔らかさのなかに厳しさが隠れていて、「~せよ」と命令に使われることもあります。

ら行(らりるれろ)

大和言葉にはもともと、「ら行」で始まる単語はなかったと言われています。

ここでは大和言葉に限らず、「ら行」の音から感じるイメージについてご紹介します。

ラは、輝き、栄光、栄え、利益、更新などを現す音である。

『日本語はどこから来たか』(2001年|津田元一郎 著)より
【機嫌の良さ・きらびやか】
「らんらん」「すらすら」など、調子がよい印象が伝わります。
【鋭い明るさ】
「きらきら」よりも「きらり」の方が短く鋭く光る印象を与えます。
【回転・繁栄】
「くるくる」のように回る動きを表し、リズム感も伝えます。
【綺麗・冷たさ】
「麗」「冷」の漢字のイメージが定着していて、「キリっ」とした印象になります。
【優しさ・のんびり】
「ころころ」「とろとろ」など、マイペースに動くイメージがあります。

参考:大和言葉にラ行で始まる単語はない|日本語の不思議 >>

わ行(わをん)

【調和・若さ】
人とのやり取りをイメージさせる「笑う」「詫びる」などの言葉があります。
【男らしさ】
「雄」を表し、昔は「wo」と発音されていました。
【終わり・のんびり】
「ほんのり」「じんわり」など、「ん」が入ることで柔らかい印象を与えます。

大和言葉は48音が正しい?

日本語のひらがなには、それぞれ独自の意味があることをお伝えしてきましたが、ここでひとつ疑問が生じます。

それは、日本語のひらがなは50音ではなく48音であるという点です。

実際に、この記事で紹介しているひらがなを数えてみると、

あいうえお5個
かきくけこ5個
さしすせそ5個
たちつてと5個
なにぬねの5個
はひふへほ5個
まみむめも5個
やゆよ3個
らりるれろ5個
わをん3個

上記の数え上げでは、合計で46の音が挙げられています。

しかし、現在では使用されなくなってしまった「ゐ」と「ゑ」という2つの文字を考慮に入れると、合計は48音になります。

つまり、大和言葉のひらがなは通常50音と表現されますが、厳密には48音と言えます。

「ゐ」「ゑ」はワ行の音になります。

ワ行は実は「わゐうゑを」という構造をしているのです。

このうち、発音として残っているのは「わ」の1文字となっており、「ゐ」「う」「ゑ」「を」の音はア行の「あいうえお」に吸収されてしまったのです。

大和言葉のひらがな50音の意味を知るとおもしろい

大和言葉 50音 意味 ひらがな

大和言葉のひらがな50音には、日本の歴史や文化、自然との共生を反映した意味が込められています。

これらの文字が持つ意味を知ることで、日本人の心のあり方や価値観についてより深く理解できるようになります。

あなたが日常の会話で何気なく使っている「言葉の音」に意識を向けて、ぜひ日本語の奥深さを再発見してみてください。

参考:大和言葉と万葉集の関係って?大和言葉の響きが万葉仮名で書かれているって知ってた? >>

スポンサーリンク