「肉」は大和言葉ですか?「肉」という言葉にまつわる話

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目次
「肉」は大和言葉ですか?

Yahoo知恵袋を見ていると、こんな質問がありました。
「肉(にく)」という言葉は大和言葉なのかどうかについての質問文です。
同じような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますので、ここでお話したいと思います。
「にく」は音読みで中国語由来
結論から先に申しますと、「肉(にく)」は大和言葉ではりません。
その理由は、漢字「肉」の「にく」は音読みであるため、実は中国語由来の表現だからです。
意外に感じた人も多いのではないでしょうか?
大和言葉で肉は「しし」
ここで浮かぶ疑問は、「じゃあ肉の訓読みって何?」ということですよね。
weblio辞書で調べてみました。
にく【肉】
読み方:にく
[音]ニク(呉) [訓]しし
weblio辞書「肉の意味・解説」ページより引用
このように、辞書を見てみると肉の訓読みは「しし」であると明記されています。
ちなみに、(呉)とは、「呉音(ごおん)」という読み方のことで、5~6世紀ごろの中国の呉から日本に伝わったものです。
(日本でいうと奈良時代以前にあたります)
現代で暮らす私たちには、大和言葉である「しし」という響きはあまり馴染みがありませんよね?
ですが、実は身近なところに「しし」という言葉は残っているのです。
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大和言葉「肉(しし)」にまつわる話

猪(いのしし)は食肉であることの裏付け
「しし」という言葉がそのまま残っている例として、動物の「猪(いのしし)」があります。
もともと、「猪(い)の肉(しし)」という表現が由来で、古来の日本人にとって猪は当たり前に食べる対象であったことが分かります。
今でも地域によっては猪を普段から食べる習慣があるようですが、日本全体で見ると猪を食べる習慣は薄れてしまったようです。
日常で使う表現としては「しし肉」
現代では、猪の肉のことを「しし肉」と表現するのが普通になっています。
「しし肉 レシピ」などで検索すると、たくさんの料理が出てきます。
私たちにとって「イノシシ」は「猪(い)の肉(しし)」ではなく、「猪(いのしし)」という認識が定着しています。
ですので、「しし肉」という言葉は、「猪(い)の肉(しし)の肉」という二重の表現になっていると言えます。
「しし」は肉なので、漢字にすると「肉肉」になってしまいますね(笑)
ちなみに、猪の肉のことを「ぼたん」と表現することがありますが、これは料理として振舞われる際に、牡丹の花のように飾り付けて盛り付けられたことが由来だそうです。
「肉置き(ししおき)」という表現に注意
他にも大和言葉には「肉置き(ししおき)」という表現があります。
第一印象としては、肉を置くためのお皿のように感じてしまいますが、実は「体の肉付き(特に女性)」のことを意味する言葉です。
初めて知ったという方も多いかもしれません。
この「肉置き」について注意したいことは、この言葉が主に女性の体つきが豊満でなまめかしい印象を意味していることです。
ひと昔前まではデリカシーのない表現も当たり前に使われていたようですが、現代においてはこのような「人の見た目」に関する(しかも性的な意味も含むような)表現は使うべきではありません。
「肉置き」という言葉の知識を得たからと言って、得意げに会話のなかで発してしまうと、相手に不快な思いをさせてしまい、あなたの好感度も下がってしまうかもしれません。
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大和言葉をうまく使い分けて好感度を上げよう

多くの方が「肉(にく)」のことを訓読みだと勘違いしており、「しし」という表現については認識していないことでしょう。
そんな中
「猪(いのしし)」の「しし」は肉のことを表しているんだよ。
と、さりげなく友人などに教えてあげると、あなたの教養が深いことをアピールできるでしょう。
(自慢げに言うと、好感度が下がるから気を付けましょうね)
このように、大和言葉をはじめ様々な言葉の言い回しについて知ることで、あなたの品格を高めることができます。
素敵な言葉をたくさん取り入れ、逆に相手が不快になるような表現を避けるように心がけることで、自然とあなたの好感度が高くなっていくことでしょう。
当サイトでは、さまざまな大和言葉について取り上げており、大和言葉の一覧にしたデータベースも作成しています。
ぜひ言葉の知識を増やすためにご活用いただければと思います。
大和言葉には美しい表現がたくさんありますので、どんどん会話に取り入れて好感度が高めていきましょう。