大和言葉を創作活動に使うときに注意することはありますか?和をテーマにしたライトノベルを書きたいのですが
当サイトのお問合せフォームより、「大和言葉を創作活動に使うときの注意点はありますか?」という旨のお問合せをいただきました。
和をテーマにした異世界もののライトノベルを創作される予定の作家さんからの質問です。
メールに返信してお答えさせていただきましたが、同じような疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれないので、この記事でお答えさせていただきます。
スポンサーリンク
大和言葉を創作に使う際の注意点
創作活動は、あくまで作家さんがご自身の意図に沿って自由に進めるものなので、これからお伝えする注意点に縛られ過ぎないように気を付けてください。
大和言葉を創作活動に活用する際に注意することとしては、当サイトでは以下の3点を挙げさせていただきます。
- あまり馴染みがない単語は使わない
- 読みにくくならないように配慮する
- 大和言葉かどうかの定義にこだわる必要はない
それぞれについて、お話していきます。
あまりに馴染みがない単語は使わない
大和言葉を作品に取り入れると、和の世界感を表現しやすくなるため、取り入れたいという発想自体は素晴らしいことです。
ただ、世界観を作りたいがためにやみくもに大和言葉を使うことはオススメしません。
大和言葉には「ひたむき」「時雨(しぐれ)」など、パッと聞いただけで誰でも意味がわかる単語がある一方で、「逢魔がとき(おうまがとき)」「薄氷(うすらい)」など、現代では馴染みがない単語も多いです。
作品のアクセントとして、稀に馴染みがない単語が登場する程度では問題ないでしょう。
ただ、何度も何度も馴染みがない単語が連続して出てきてしまうと、読者の方は「この文章、どういう意味?」と戸惑ってしまい、せっかく考えたストーリーや作品の魅力が伝わらなくなる可能性があります。
作品に大和言葉を取り入れる際に、「この単語は現代でも馴染みがあるかな?」と疑問に感じた場合、X(旧Twitter)でその単語を入力して検索してみると良いでしょう。
少しでも検索に引っ掛かるようなら、現代においてもその単語が生きていて、少しは馴染みがあるという証拠になります。
スポンサーリンク
読みにくくならないように配慮する
大和言葉を作品に取り入れる際は、文章がだらだらと読みにくくならないように配慮が必要です。
どういうことかと言うと、大和言葉はひらがなが長々と続く表現が多いため、連続して使用すると文章が回りくどくなってしまうということです。
例を出すと、
- 「何度も」→「かさねがさね」
- 「スムーズに」→「つつがなく」
- 「結局は」→「つまるところ」
などのように、現代でよく使われる単語よりも長い言い回しになることが多いのです。
作品を執筆しているときに、このようなひらがな表記の大和言葉が続きすぎると、文章の区切りが分かりにくくなり、読者が読み進めるのを妨げる原因になります。
作品に取り入れる際は、大和言葉の中でも「羽目をはずす」のような漢字を含む表現を組み合わせ、パッと見たときの漢字とひらがなのバランスが偏らないように配慮すると良いでしょう。
大和言葉かどうかの定義にこだわる必要はない
大和言葉を作品に取り入れて世界観を構築するのは良いことですが、必ずしも大和言葉じゃないといけないワケではありません。
大和言葉の定義としては
- 漢字で書くと訓読みされる
- ら行で始まらない
などの条件がありますが、現代でも定義からはずれたものが大和言葉として紹介されている書籍があったりと、定義は曖昧です。
参考記事 >> 大和言葉とはどういう意味?起源や歴史は?特徴ってなに?
また、明らかに大和言葉ではない単語(漢語)を用いても、十分に日本の昔の世界観を作り上げることは可能です。
例えば四字熟語は中国でできた表現で大和言葉ではないのですが、「花鳥風月」のようにパッと聞いた感覚で昔の日本を思い浮かべるものも多く存在します。
参考記事 >> 大和言葉のような四字熟語|自然の美しさを表す表現15選
かたくなに「大和言葉しか使わない!」と決めるのではなく、「現代で暮らす読者がどのように感じるか」に重点を置いて、取り入れる表現を選ぶと良いでしょう。
スポンサーリンク
創作に大和言葉を使うと古風な作品にできる
創作において大和言葉は昔の日本の雰囲気を醸し出す役目があり、古風な世界観を作り上げるのにとても効果的です。
この記事では、大和言葉を作品に取り入れる際に
- あまり馴染みがない単語は使わない
- 読みにくくならないように配慮する
- 大和言葉かどうかの定義にこだわる必要はない
という点に注意しましょうとお話してきました。
あくまで参考程度に考えていただき、自由な発想のもとであなたの独自の世界を築き上げてもらえたらと思います。
この記事があなたの創作活動に少しでもお役に立てれば幸いです。
当サイト「大和言葉なび」では、大和言葉の表現をデータベースとして多く取り上げています。
創作活動の参考資料としても使用していただけるかと思いますので、ぜひご覧ください↓