大和言葉の嬉しい気持ちを表す言葉「嬉しゅうございます」や他の表現をまとめました
大和言葉には、嬉しい気持ちを表現するたくさんの言葉があります。「嬉しゅうございます」という言葉は、その代表例です。
喜びや幸福を感じたとき、その感情を正確に表現することは、コミュニケーションを豊かにし、心を共感させる重要な要素です。
この記事では、大和言葉で嬉しい気持ちを表す表現を幅広く紹介し、その意味や使い方について詳しく解説します。
日常生活やコミュニケーションに役立つ表現を学びながら、より豊かな表現力を身につけていきましょう。
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大和言葉「嬉しゅうございます」の使い方
大和言葉「嬉しゅうございます」は、目上の人に対する感謝の気持ちを表す表現です。
そのため、もし部下や後輩に対して、感謝の気持ちを示すために「嬉しゅうございます」と言ってしまうと、場違いな使い方となり場の空気が変になってしまうでしょう。
自身の言葉遣いや品格を高めるために大和言葉を取り入れているのに、使い方を間違ってしまうと逆効果になってしまいます。
「嬉しゅうございます」を使うときは、相手が自分より上の立場であったり、公の場での発言に限って使うようにしましょう。
ありきたりな「ありがとうございます」よりも、相手への感謝の気持ちを上品に伝えることができ、心からあなたが感謝している気持ちを表現できるでしょう。
ちなみに、筆者(記事執筆時 30代前半)が職場で50代の女性の上司に「嬉しゅうございます」と使ったときのエピソードをご紹介します。
私が抱えている事務仕事が多く、バタバタとデスクで慌ただしく作業をしていたとき、上司の女性が「大変そうだね、こっちのファイルの分は、私やっとくね。」とフォローしてくれたことがありました。
締め切りに追われて焦っていたため、このサポートはとてもありがたく感じました。普段の大和言葉の勉強の成果を発揮するチャンスだと感じ、「〇〇さんもお忙しいのに手伝っていただき、嬉しゅうございます。」と言ってみたんです。
すると「なんか、古風な言い方ね。」という反応だったので、使う場面としてはイマイチだったのかもしれません。
普段一緒に仕事をしていないような、立場が離れた上司や、公の場でのスピーチなどでは、「嬉しゅうございます」の効果が大きく発揮されるのだと思います。
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嬉しい気持ちを表す大和言葉
「嬉しゅうございます」以外にも、大和言葉で「嬉しい」という感情を表す表現をまとめてみました。
うちょうてん 有頂天 | 最高に嬉しいこと。 ※厳密には大和言葉ではありません。『美しい大和言葉の言い回し』という書籍に掲載されています↓ |
おかいかぶりを お買い被りを | 謙虚に感謝している様子を伝える言葉。否定しないため、褒めてもらえて嬉しく感じているニュアンスも含んでいます。 |
おからかいを | 「ほめすぎですよ」と伝える言葉。褒められたことを否定しないため、嬉しく感じているニュアンスも含んでいます。 |
恐れ入ります | 褒められたり、手助けされたときの感謝を謙虚に伝える言葉。相手がしてくれたことに対して嬉しいと感じているニュアンスも含んでいます。 |
お運び | 「来る」こと。「お運びいただきありがとうございます。」という言い回しがほとんどで、相手が来てくれたことを嬉しく感じている表現。 |
おほねおり お骨おり | 精を出して働くこと。「お骨折りに感謝いたします」という言い回しが多く、相手が頑張ってくれたことを嬉しく感じている表現。 |
おもはゆい 面映ゆい | 照れくさくて恥ずかしい様子。褒められたりして嬉しいと感じているニュアンスも含んでいます。 |
したつづみをうつ 舌鼓を打つ | 美味しさに感嘆すること。舌を鳴らすことを楽器のように例えた表現であり、嬉しい気持ちが含まれていることが分かります。 |
これらの表現の多くが、以下の『美しい大和言葉の言い回し』という書籍に掲載されています。
この書籍は筆者が大和言葉の魅力に憑りつかれるキッカケとなった本で、現代で暮らす私たちが日常会話に取り入れやすい上品な言葉が多く紹介されています。
文庫本サイズで持ち運びしやすく、通勤や家事の合間でも読み進めやすいので、忙しい社会人が教養を高めるためにとても便利な書籍です。
大和言葉に少しでも興味があれば、ぜひご一読いただくことをオススメします。
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嬉しい気持ちを大和言葉で表現しよう
この記事で紹介してきたように、嬉しい気持ちを表す大和言葉にもいろいろな表現があります。「嬉しゅうございます」をはじめ、さまざまな言い回しで気持ちを伝えられるようになると、周囲に対して教養・品格の高さをアピールすることができますよ。
当サイト「大和言葉なび」では、日常会話に取り入れたい大和言葉をまとめたデータベースも作成しています。
この機会にぜひご活用いただき、大和言葉を学んでみてください。