なぜ大和言葉は優しいと感じるの?優しい気持ちが伝わる表現をまとめました
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目次
「優しい」は大和言葉?
そもそも「優しい」という単語は大和言葉なのでしょうか?
当サイトとしては、答えはYESだと回答します。
その理由は、「優しい」の語源は「痩す(やす)」という言葉であり、古くから日本で使われてきた表現だからです。
もともとは「みずぼらしい」という意味の言葉だった「やさし」が、次第に「恥ずかしい」という意味を表すようになったと言われています。(参考:weblio辞書「優しい」)
「恥ずかしそうで大人しい」という意味合いが少しずつ変化して、現代わたしたちが認識している「思いやりがある」というニュアンスの「優しい」に変化したようです。
優しさが伝わる大和言葉
優しい気持ちが伝わる大和言葉の表現を以下にまとめてみました。
(伝えた相手からの好感度が良くなりそうな表現を中心にピックアップしています)
- おいとま
- おかげさまで
- お心置きなく
- かさねがさね
- さることながら
- 印ばかりのもの
- 胸にせまる
おいとま
「おいとま」は訪れたさきから帰ることを表す言葉です。
- 「今日はこの辺で失礼します」
- 「本日はこれでおいとまさせていただきます」
言い換えると、あなたが先に帰ってしまうことを優しい印象で伝えられます。
おかげさまで
「おかげさまで」は相手に対して謙虚に感謝している様子を表します。
言葉そのものに優しい響きがあるので、ビジネスシーンでうまく使えると相手からの印象が良くなる効果が期待できます。
お心置きなく
「お心置きなく」は、相手に対して「遠慮しなくていいですよ」という意味を伝える言葉です。
かしこまっている相手に配慮した、優しい表現だと言えます。
かさねがさね
「かさねがさね」は、「何度も」という意味です。
こちらが感謝していることを伝えるときに併せて使われることが多く、言われた相手も気分が良くなる優しい響きをもった言葉です。
さることながら
「さることながら」は、「言うまでもないことですが」という意味。
「言うまでもない」という表現よりも明らかに優しい印象で上品さが伝わる言葉です。
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印ばかりのもの
「印ばかりのもの」は、「少しだけのもの」という意味で、相手に手土産を渡す際などに使われます。
「つまらないものですが」と切り出すよりも、相手にとって気持ちが良いだけでなく、あなたの優しい気持ちも感じ取ってくれる言葉です。
胸にせまる
「胸にせまる」は、素晴らしいものに出会い、心が動かされた様子を伝える言葉です。
- 「めっちゃ感動しました」
- 「胸にせまるものがありました」
どちらが相手に優しい印象を与え、好感度が良いのかは明らかですね。
大和言葉の優しい響きで相手の好感度が上がる
大和言葉は優しい響きを持っているので、言われた相手としても心地よい気分になりやすいです。
その結果、言葉を発したあなたに対しても好感をもってもらいやすくなります。
逆の立場で考えてみると、その効果が分かりやすいです。
あなたが初めての営業先を訪れたとします。
そこで担当者の方から言われるセリフとして
- 「どうぞご遠慮なく」
- 「どうぞお心置きなく」
などが考えられますが、どちらがより優しい印象を受けるでしょうか?
もちろん「ご遠慮なく」も、あなたのことを気遣った言葉なので、言われると安心できることに間違いありません。
ただ、これらの表現を比較すると、「お心置きなく」という表現の方が、より優しい印象で上品に感じませんか?
このような「開始」→「始める」のような漢語から大和言葉への言い換えをすると、あなたに対する「優しさ・上品さ」の印象が変わってきます。
ひとつの言い換え表現だけでは分かりにくい差だとしても、会話の中でいくつも大和言葉を使うことができれば、全体としてあなたに対する好感度が間違いなく良くなります。
(塵も積もれば山となる、ですね。)
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どうして大和言葉は優しいと感じるのか?
どうして大和言葉に言い換えると「優しい」という印象を受けるのでしょうか?
当サイトでは、その理由として
大和言葉は日本人にとって理解しやすい言葉だから
だと考えています。
どういうことかと言うと、大和言葉は基本的に漢字で書いたときには「訓読み」がされる表現です。
「開始(かいし)」ではなく、「始める(はじめる)」など。
これらの違いは、太古の日本にあった響きかどうかにあります。
「はじめる」などのような大和言葉は、日本に文字ができる前から使われてきたとされています。
つまり、昔から日本人のDNAに深く、その大和言葉の響きを理解する能力が刻み込まれてきたのではないか?と筆者は考えています。
その一方で、音読みされる「開始」については、比較的遅れて中国から日本に入ってきた言葉です。
諸説ありますが1世紀頃とか3世紀頃に日本に伝わってきたようです。
そのため、
昔から日本人になじみのある大和言葉の方が、その言葉の意味を理解しやすく、脳が本能的に心地よく感じるために「優しい」印象を与えるのではないか?
というのが、筆者の見解です。
もちろん、筆者は学者ではないので、この見解がまったくの見当はずれである可能性もあります。
ただ、大和言葉の響きは私たち日本人にとって心地よいものであることは疑いようのない事実です。
日常会話にどんどん取り入れられれば、あなたの好感度を高めてくれることは間違いないでしょう。